ジプシー・ジャズのミュージシャン達

情熱的で軽快なギターのサウンドがたまらない！

フランスで生まれた音楽「ジプシー・ジャズ」
ジプシー（ロマ）の伝統的な音とジャズが合体した軽快なサウンドが特徴です。
歴史は古く、その情熱的なサウンドとテクニックはギター好きだけでなく音楽を愛する人々から深く愛されています。
そんなジプシージャズの最高なミュージシャン達と演奏動画をご紹介します。
最後には、圧巻の全員集合の映像あり！！

ジプシージャズって何？

1930年代にギタリストのジャンゴ・ラインハルトが始めたジプシーの伝統音楽とスウィング・ジャズを融合させた音楽のこと。
出典ジプシー・スウィング – Wikipediahttp://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B8%E3%83%97%E3%82%B7%E3%83%BC%E3%83%BB%E3%82%B9%E3%82%A6%E3%82%A3%E3%83%B3%E3%82%B0

フランス生まれのこの音楽は、その他にもフランス名で、ジャズ・マヌーシュやマヌーシュ・ジャズ（Jazz manouche, Manouche jazz）とも呼ばれます。

最大の魅力は軽快なギター・ソロ、小気味よいリズム・ギターのカッティング。
出典楽天ブックス: ジプシー・ジャズ・リユニオン – (オムニバス) – 4951249014203 : CD http://books.rakuten.co.jp/rb/3800057/
アコースティックによる、ジプシージャズならではのカッティングは聴いているだけで気持ちよく、胸躍ります。

さらに、機関車のような2ビートのリズムも特徴的です。
出典ブログテーマ[ジプシージャズ考察]｜Django Tigalle – ジャンゴ・ティガール – 瀬戸内ジプシージャズ・プロジェクトhttp://ameblo.jp/tigalle/theme2-10063358123.html
La Pompe　その名もポンプと呼ばれるリズムで、1拍目と３拍目の前に音が入るものです。

パリではこの「ジプシー・スイング」はそこそこ生活に浸透しているようで、地下鉄の駅や小さなカフェなど、街中のあちこちでジプシー・スイングの演奏が行われています。
出典フレンチ・ジャズ : カナダライフ http://artlifecan.exblog.jp/5144724

日本での浸透率は高くないですが、ジプシー達の町「パリ」の街並みでは耳にすることが多い、親しまれている音楽なのです。

ジプシージャズを作ったジャンゴ・ラインハルトってどんな人？

Django Reinhardt ジャンゴ・ラインハルト
(1910年1月23日 – 1953年5月16日)
ベルギー生まれのギタリスト。
出典online.wsj.com
http://online.wsj.com/article/SB10001424052748703389004575033694046505332.html
ロマ音楽とスウィング・ジャズを融合させたジプシー・スウィング(マヌーシュ・スウィング)の創始者として知られています。
出典ジャンゴ・ラインハルト – Wikipedia　http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B8%E3%83%A3%E3%83%B3%E3%82%B4%E3%83%BB%E3%83%A9%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%83%8F%E3%83%AB%E3%83%88
偉大なジャズミュージシャンとして、ヨーロッパで初めて評価されました。
長いとはいえない人生でしたが、その後の音楽シーンに多大な影響を与えた一人です。

また、ビジネスより音楽そのものを追求する真のジャズメンでした。
出典 http://society.django-jp.com/Dj_Django.htm
http://matome.naver.jp/odai/2136583516928966501
ロマ（ジプシー）家に生まれ育ったジャンゴは、幼少の頃から死ぬまで音楽だけの生活でした。

実は左手の薬指と小指が不自由だったんです。
出典：案の定ジャリジャリだけど（Django Reinhardt / DJANGO REINHARDT） : swingin’ godzilla !
http://sgodzi.exblog.jp/8919637/
18歳の頃、すでにプロとして活動を行っていたのですが、彼の住む住宅が火事になった際に、その火を消そうとしたところ左半身と左手に大やけどを負ってしまいました。
その後18ヶ月の入院生活を終え復帰を遂げましたが、左手の薬指と小指には障害が残り自由に動かすことができませんでした。

そんなジャンゴ・ラインハルトは、技巧の面だけでなく表現力の面でも高く評価されています。
出典ジャンゴ・ラインハルト – Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B8%E3%83%A3%E3%83%B3%E3%82%B4%E3%83%BB%E3%83%A9%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%83%8F%E3%83%AB%E3%83%88

『Guitar World』2008年7月号の記事「50Fastest Guitarrists of All Time」では、
ジャンゴのフィンガービブラートは「ギター界において最も叙情的」と評価されました。

ジャズ・ヴァイオリンの第一人者　ステファン・グラッペリ

Stephane Grappelli ステファン・グラッペリ
(1908年1月26日 – 1997年12月1日)
フランス生没のジャズ・ヴァイオリニスト。
出典didacool.pagesperso-orange.fr
http://didacool.pagesperso-orange.fr/grapelli/grapelli.htm

ジャズ・ヴァイオリニストの第一人者として、長年に渡って晩年まで第一線で活躍しました。
出典ステファン・グラッペリ – Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B9%E3%83%86%E3%83%95%E3%82%A1%E3%83%B3%E3%83%BB%E3%82%B0%E3%83%A9%E3%83%83%E3%83%9A%E3%83%AA
先にあげたジャンゴ・ラインハルトの相方としても知られており、ジャズヴァイオリンの神様とも呼ばれます。

13才の時に父親から中古のヴァイオリンを与えられ、猛烈に練習に打ち込みました。
出典ステファングラッペリ　Biography
http://www.geocities.co.jp/Hollywood-Miyuki/2744/biography.htm

母親は彼が4歳の時に他界、父親は第一次戦争で戦地へ。
幼少期、彼は孤児院で生活を過ごし、戦後に父親と再会しました。
念願の二人暮らしが叶いましたが、とても裕福とは言えない生活でした。

彼の創り出す音楽はジャズ，クラシック，ポピュラー，フュージョンなど多くのジャンルにわたります。
出典ステファングラッペリ　Biography
http://www.geocities.co.jp/Hollywood-Miyuki/2744/biography.htm

彼の相棒であるジャンゴと同じように、ヴァイオリン界だけでなく様々なジャンルのミュージシャンに大きな影響を与えました。

そんな二人の貴重な映像。（ジャンゴ・ラインハルトとステファン・グラッペリ）

現在のジプシー・ジャズ界最高峰　チャボロ・シュミット

Tchavolo Schmitt チャボロ・シュミット
(1954年～）
フランス生まれのギタリスト。
出典www.jazzinmarciac.com
http://www.jazzinmarciac.com/spectacle/tchavolo-schmitt

ギターの神様ジャンゴ・ラインハルトの正統な後継者と言われています。
出典チャボロ・シュミットがわが町にやって来た！ – またたびCINEMA ?ふたたび?　http://d.hatena.ne.jp/natsutobira/20080622/1214165617

あのギターのジャンゴ・ラインハルトとヴァイオリンのステファン・グラッペリという二人のマヌーシュ・スウィングを蘇らせた立役者が彼なのです。

出演した「僕のスウィング」という映画は2001年に公開され、世界的にヒットしました。
出典僕のスウィング　http://www.plankton.co.jp/gypsy/swing.html

この映画は、白人の少年とジプシーの少女の恋物語と、マニューシュギタリスト（チャボロ・シュミット）との交流を描いた作品ですが、マヌーシュ・スウィングを中心に描かれています。
ジャンゴ・ラインハルトがこの世を去って、50年という記念すべきタイミングで公開され、日本でも話題となった作品です。

Tchavolo Schmitt – Valse a Dora

考えられない！この絶妙なテクニック！
アコースティックのサウンドが最高に気持ちいい。

Tchavolo Schmitt – Sweet Giorgia Brown

ヴァイオリンは、チャボロ・シュミットの従兄弟。その名もドラド・シュミット
彼もジプシー・ジャズのヴァイオリン/ギターの名手の一人である。

ジプシージャズの枠を飛び越え大活躍、ビレリ・ラグレーン

Bireli Lagrene ビレリ・ラグレーン
(1966年9月4日～)
フランス生まれのギタリスト。
出典www.laguitare.com
http://www.laguitare.com/guitare-guitaristes-nouvel_album-bireli_lagrene-gipsy_trio-6286-0.html

13歳にしてアルバム『Routes To Django』にて衝撃的なデビューをかざったビレリ・ラグレーン。
出典Bireli Lagrene – Django Road
http://djangorota.blog51.fc2.com/?no=108
ロマ（ジプシー）家に生まれた彼は4歳でギターを始め、幼少期から神童と言われているほどでした。
18歳のときにアメリカに渡り、ジャコ・パストリアスなどの有名ミュージシャンとの共演を経て経験を積んでいます。

デビューした時には「ジャンゴ・ラインハルトの再来」と言われていましたが、他のジャンルにも興味を持つとその音を吸収して自分の音楽スタイルを変幻自在にしていくギタリスト。
今やマヌーシュ・ジャズだけでなく、ロック等に精通したフュージョン・ギタリストとしても名を馳せるなど、単にジャンゴのフォロワーに留まらない活躍をしています。
出典ビレリ・ラグレーンとは (ビレリラグレーンとは) [単語記事] – ニコニコ大百科
http://dic.nicovideo.jp/a/%E3%83%93%E3%83%AC%E3%83%AA%E3%83%BB%E3%83%A9%E3%82%B0%E3%83%AC%E3%83%BC%E3%83%B3

Bireli Lagrene – Si Tu Savais

一味違うテクニックと音色を見せる。視覚と聴覚どちらでも楽しむことのできるギタリスト。

最高峰のギタリスト、次世代への継承者 ロマーヌ

Romane ロマーヌ
(1959年～)
フランス生まれのギタリスト。
出典www.tumblr.com　http://www.tumblr.com/tagged/manouche?language=fr_FR

92年にアルバムデビュー。
ジャンゴの精神を受け継ぎ、マヌーシュ・スウィングの新時代を開拓
出典ROMANE　http://plankton.co.jp/romane/
……ジャンゴ・ラインハルトの魂を受け継ぎながらも、オリジナルのスタイルを追求するアーティストです。

一方で、音楽教育にも熱心で幾つもの教則本の発売や音楽学校の講師を務めています。
出典アンジェロ・ドゥバール、ロマーヌ、ブールー・フェレ、エリオス・フェレ ジャンゴ100 [ERPCD-17010] : メタ カンパニー　http://metacompany.jp/shop/index.php?main_page=product_info&cPath=1_18_186&products_id=170
マヌーシュ・ギターの殿堂「ショップ・ド・クニャンクール」の建物３つのフロアを利用している、マヌーニュ・ギタースクールの校長としても有名です。

演奏は熱く、そして気品に溢れます。
出典Romane/Stochelo Rosenberg (ロマーヌ/ストーシェロ・ローゼンバーグ) – 関心空間
http://www.kanshin.com/keyword/355995
チャボロ・シュミットなどと同様、現代のジプシー音楽界のギタリストにおける最高峰といわれています。

Romane/Stochelo Rosenberg – Double Jeu

ストケロ・ローゼンバーグ（向かって左）との共演。彼もまた最高のギタリスト。

Romane/Stochelo Rosenberg/Richard Galliano/Christophe Cravero – Minor Swing

ジプシー系名手9人が一堂に会した圧巻のライブ！
（ギター）ロマーヌやストケロ・ローゼンバーグ、（アコーディオン）リシャール・ガリアーノなどジャンゴ・ラインハルト作曲の名曲「マイナー・スウィング」はたまらない！！